国道308号 暗峠編 その1


調査日 2009年3月26日 
調査手段 徒歩

国道308号とは、大阪府と奈良県を暗峠(くらがり)を経て結ぶ、歴史ある道だ。
暗峠の道は、古くから暗越奈良街道と呼ばれ、奈良街道の一つとされている。
今回の調査でも、道路に地蔵や道祖神、記念碑、詩の碑など多数存在しており、そこからも
歴史の長さを感じることができる。

かつての街道をトレースしているので、峠区間にも関わらず民家が存在し、生駒山の急峻な
坂道が旅人の行く手を阻む。
離合困難及び不可能区間が多数あり、クルマで安易に侵入するべきではない。

特に大阪側の勾配が猛烈にきつく、アクセル全開で登っていくクルマを何台も目撃した。
勾配がきついということは、下り勾配も凄まじいということである。
エンジンブレーキを積極的に使用し、フェード現象、ベパーロックに細心の注意をもって走行
することが必要。高度な運転技術、強靭な精神力、判断力が要求されるため、クルマで
来る場合は絶対の自信がある人に限られる。
休日はハイカーが多く、歩行者には要注意である。

オートバイ、自転車であれば離合は楽だが、下り坂にはクルマ同様の注意が必要だ。

安易な気持ちで絶対に来ないこと、痛い目にあいますよ。


写真ナンバーの後についている(奈)は奈良方面、(大)は大阪方面を向いて撮影という意味である。
これより国道は「R番号」という表記形式になります。


No.1(奈)

近鉄生駒線南生駒駅を降りて、少し南に歩くと早速R308に
遭遇する。
ご丁寧におにぎりが二つ設置されているため、迷うことはな
いだろう。
早速この区間から狭い、おにぎりがなければここが国道だと
認識することはまずないと思われる。

右の川は竜田川で、対岸にはR168の旧道区間が走る。
R308は竜田川を渡河し、進路を西へ変える。
渡河後、僅かな区間であるが、双方は重複している。
No.2 (大)

竜田川を渡ると一車線の狭い道が現れる。
右側の電柱には「この先3.3km 通り抜 不能」の標識が。
この先が酷道であることが窺える。

全幅1.3mのクルマ…360cc時代の軽自動車のサイズ並だ。

正面の信号はR168の新道との交差点である。
No.3 (大)

どうやらここは一方通行区間のようだ。
ということは、No.2の写真区間も一方通行なのだろうか。

車体が大きいクルマへの警告もある。
No.2の標識は全幅1.3m制限だったが、道路改良で全幅1.8mまでのクルマは通行できるようだ。

だが、お勧めはしない。
No.4 (大)

一方通行区間を進むと相変わらず道幅は狭い。
離合が不可能であるため一方通行指定は妥当である。
速度制限も20km/hとなっている。

国道沿いには民家が多数存在し、生活道路の一面を見せている。交通の往来も考えての一方通行なのだろう。

写真右側には小学校が映っている。
国道が通学路に指定されているため、特に朝、夕の通行には注意しなければならない。
No.5 (奈)

小学校の前を抜け、相変わらず狭い道を進むと一方通行区間の終了地点に到達した。
先ほどまで歩いていた区間は西向き一方通行なので、東向きに走ってきたクルマ、オートバイはここを左折する。

一方通行区間の終了、つまりこれから先はこの狭い道を西行き、東行きの通行車両が共有するということである。

引き返すタイミングが早過ぎるわけではない。
自信がないならここで引き返すべきだ。
No.6 (大)

一方通行区間が終わったので少しは広くなるか?
という甘え考えはR308には通用しない。
相変わらず国道沿いには民家があり、生活道路のままだ。

写真左にサンバーが止まっているが、国道の狭さがお分かりいただけるだろうか?
一方通行ではないので、向こうからクルマが来たら…
と考えるだけでゾッとする。

離合のためのバックは必須だ。
No.7 (大)

狭隘道路100%というわけではないのが暗峠。
奥には改良された2車線道路が見える。

それにしてもこの落差はなんだろうか。
改良区間がまるで高速道路のように見えてしまう。

ちなみにこの先でもUターンは可能である。
引き返すポイントを与えてくれる、ある意味で優しい暗峠。
だが、ずっと優しいわけでは無いので注意。
No.8 (奈)

改良区間を歩いていると、大阪側からセレナが降りてきた。地元の人であろうか。
ふと奈良側を見るとアクティバンと鉢合わせしていた。

軽自動車が相手でも離合は不可能。
セレナがバックしてあっさり終わったこの鉢合せ。
しかしながらいいタイミングで遭遇したものだ。


その2に続く